OUR NATURAL WINES

私たちが考えるNATURAL WINEとは

ナチュラルワインに関する著書などで有名な、先鋭的なワインジャーナリスト・Alice Feiring(アリス・ファイアリング)によると、

「ナチュラルワインの定義はとてもシンプル。先ずはある種の有機農法、言い換えれば有機的に葡萄を栽培します。そして、葡萄が収穫されたら、ワイン醸造の過程で何も足さず何も引かない。ましてや機械を使用してワインに操作をしない。これがナチュラルワインです。時にはごく少量の亜硫酸が加えられる場合もありますが、理想的には何も加えないのが望ましいです。」

と自身の著書『NATURAL WINE FOR THE PEOPLE』で述べています。

自然の生態系の中で実った葡萄を使い、葡萄の果皮に元来生息する酵母にアルコール発酵を任せたワイン。つまり、自然なプロセスで、葡萄ジュースが発酵したものです。

オーガニックワインやビオワインと混同される事がありますが、これらは葡萄の生育方法が有機農法なことを指し、醸造過程については栽培法ほど厳しい規制はありません。

更に、一般的に販売される多くのワインは、葡萄畑では除草剤や殺虫剤を使用し、土壌から微生物は消え、崩れた生態系で栽培するために更に農薬を使用し、個々の成熟度に関係なく機械で一気に収穫し、傷付いた葡萄の腐敗を防腐剤で抑え、マーケティングから得られたトレンドの味や香りを生み出すために人工酵母や添加物を加え、様々な機械で味を調整して醸造します。

ワインを買う時に、こんな事は考えないのが普通です。ただ、私たちが選ぶワイン1本の裏にも、環境や生態系に与える影響があるのです。もちろん、私たち自身にも。

最近ではラベルに「酸化防止剤無添加」の文字をよく見かけますが、イコール、ナチュラルワインではありません。ナチュラルワインは、酸化防止剤(亜硫酸塩)の量で語られることも少なくありませんが、それだけの話ではないのです。必要最低限の亜硫酸塩の使用は一つの大切な基準になりますが、地球の声に耳を傾け、その土地と空間にある全ての生き物や物質の営み、ワイン造りに携わる全ての人々の幸せ、といった、それ以外のプロセスも大切な要素だと考えています。

果実の中でも稀に逞しく地中深く深く根を伸ばして、毎年伸ばした根の分、一年前とは異なる古代からの土壌(テロワール)の要素を吸収して育つ葡萄。環境配慮の視点を超えても、健やかな土壌に根を伸ばしたワインは、地球の営みを想像するロマンチックな楽しみさへも与えてくれます。